Traditional ArtsANDOの伝統技術
職人が丹精を込めたものづくりが生み出す、繊細で多彩な表現
ANDOは京都に千年以上受け継がれている「京鹿の子絞」を中心とした絞り染めから始まり、「和の技術」や「和の文化」を軸としたクリエーションを手掛けています。
京都本社の工房で伝統工芸士や職人たちが、「染め」「絞り」「解(ほど)き」といった伝統的な技法を用いて1点1点丹精をこめたものづくりをすることで、繊細で表情豊かな作品が仕立て上がります。
本疋田絞り
京鹿の子絞の中の代表的な技法で、生地を指でつまみ根元を 絹糸で絞ったのちに染めることで柄が生まれます。撚りがかかっていない絹糸でくくることで強く巻き締めることができ、くくられた白い部分と染まった部分のコントラストがあざやかに浮かび上がります。
板締め絞り
生地を幾何学的に折り畳み、板ではさんで防染する染色技法。染め上がりは左右対象の模様が現れ、折りたたみ方や染料にひたす時間を調整するなどして、さまざまな模様を作り上げます。
手染め絞り
染料の液に手で生地をひたす「浸染」という染め方で、色の染まり具合を職人が手作業で細かく調整します。絞りや生地の一つひとつの風合いや特性を生かすことで、染めならではの絶妙な色合いが生まれます。
手染め板締め絞り
板ではさんだ生地を、浅い染料の液に浸し染色すると、自然に染料が吸い上がり、折り目に沿って規則的な模様が染め上がります。温度や湿度によって染料の吸い上がり具合が 変わるので、職人が手作業で調整し、柄の出し方をコントロールします。そうして色の濃淡やぼかしが生まれ、繊細なグラデーションが出来上がります。
無地染
職人が目視し微調整しながら、ムラにならないよう均一になるように絹や綿や麻などの天然繊維は、同じ素材であっても その都度染まり方が異なる場合があり、丁寧に染めていきま す。複雑な色は手染めをすることで、完成度を高めます。
ひっぱり解き
絞りと染めを終えた生地を乾燥させたのち、両端を2人がかりでひっぱり、くくった糸をほどきます。絞り部分が伸びないように指先ではなく関節部分で生地をつまんでひっぱり糸をほどくと、シボ(絞りによる細かい凹凸)が残ります。
手解き
絞りと染めを終えた生地を乾燥させたのち、生地に対してくくった糸を手で一つひとつほどきます。ほどき上がると、糸で縛っていた部分は染まらず模様となり、独特の立体感が生まれます。
板締め絞り解き
染めが終わった折られた状態の生地を濡れたままほどいて広げながら、生地を水で洗います。ほどく際に手をくるくると回すことで生地がねじれることなく綺麗に広げることができ、ほどいていくと、美しい規則的な模様が現れます。
生地に蒸気を当て経(たて)糸と緯(よこ)糸をととのえることで、幅や立体感を調整することを「湯のし」と言います。目視で絞りを確認しながら、職人による手作業により1つひとつ丁寧に仕上げられます。手先(生地の端部分) は湯のしにより、生地のハリや艶が出ます。